敷引き
敷 引 き 契 約
敷引き契約とは入居時に預けた保証金の内、一定額を無条件で返還せず残りのお金を
補修費等にあて差し引くとするシステムです。関西方面で始まったシステムですが、地方にも広がり大変問題になっている事案です。
敷引きと同意語として「敷金償却」「退去引金」が使われる場合もある。
*敷引き契約の内容 *通常契約の内容
保証金 50万円 敷金 50万円
敷引き 45万円 礼金 0 円
返還金 5万円 返還金50万円
敷引き契約ですと45万円は使用状況に関係なく差し引かれ残りの5万円から原状回復費を控除しますので最終的に借主の手元に残るのは2〜3万円残れば良いほうでしょう。通常契約の場合ですと特に破損、毀損がなければ、ほぼ全額返還されます。
敷引無効の判例集
敷引無効判決 平成17年7月14日判決
神戸地裁 敷引き無効判決
敷引特約が消費者契約法10条に反するとして無効と判断し
保証金30万円から25万円の返還を命じる判決を言い渡した。
敷引無効判決 平成18年6月29日判決
大津地裁 2年半入居でも全額返金
大津地裁(阿多麻子裁判官)は、敷引特約が消費者契約法10条に違反し無効であるとして、敷引き金20万円、全額を借主に返還しなさいと命じる判決を言い渡した。
敷引無効の控訴審判決を支持 平成18年07月27日判決
大阪高裁、家主の上告棄却
大阪地裁は判決を不服として家主が上告をしたが、敷引き特約が消費者契約法10条に違反し全部無効であるとした大阪高裁(井垣敏生裁判長)は、これを棄却する
判決を言い渡し
敷金60万円から48万円の返還を命じる判決を言い渡した。
敷引無効判決 平成18年11月8日判決
京都地裁、敷引き無効判決
京都地裁は35万円の敷金から30万円を差し引く敷引特約について消費者契約法10条に違反し無効であるとして敷金から30万円の返還を命じた。
敷引無効判決 平成19年2月6日判決
西宮簡裁、敷引き無効判決
西宮簡裁は、80万円の保証金から50万円を差し引く敷引特約について(1年3カ月入居)消費者契約法10条に違反し無効であるとして保証金のほぼ全額の返還を命じました。双方控訴せず、確定。
敷引無効判決 平成19年4月20日判決
京都地裁、敷引き無効判決
京都地裁は、35万円の保証金から30万円を差し引く敷引特約について消費者契約法10条に違反し無効であるとして保証金のほぼ全額の返還を命じました。
神戸地裁は平成17年7月14日の判決で敷引き金の性質を下記A〜Eと結論付けた。
A:賃貸借契約成立の謝礼
賃借人のみに謝礼の支出を強いることは、賃借人に一方的な負担を
負わせるものである。
B:自然損耗の修繕費用
賃料には自然損耗の修繕費用は含まれているので賃借人から敷引金を取ると
二重の負担を強いることになる。
C:更新時の更新料の免除の対価
賃借人のみが更新料を負担すること、及び、契約が更新されるかどうか関係なく更新料を免除する代わりとして敷引金の負担を強いられるのは不合理である。
D:賃貸借契約終了後の空室賃料
賃借人が空いている期間の賃料を支払わなければならない理由はない。
E:賃料を低額にすることの代償
敷引金よって賃料が低額に抑えられているのなら賃借人の負担が
増えたとはいえない。
敷引き特約に関しては消費者契約法10条に反するとし無効とする判例が、
定着しつつあります。

